「腰痛」に関する記事の最終回として、前回触れた、誰でも読める「認知行動療法」の関連書籍と、なぜ「認知行動療法」の浸透が進まないのか、について語りたいと思います。
まず「おさらい」ですが、「腰痛」は、椎間板が神経を圧迫しているから生じる訳ではない、ということをお話ししました。では、”痛み”や”痺れ”がなかなか消失しないのは、何故なのか?
ここで「脳」が登場します。人間の脳は非常に複雑で未だ全容は解明されていませんが、その一方で騙されやすいものでもあります。プラセボ(偽薬効果)という単語を聞いたことがある方もおいでになると思いますが、ある患者さんに胃薬を溶かした液体だと偽り実は砂糖水を与えても、ある程度の効果が認められることが解っています。「認知行動療法」は、これがベースになっています。つまり、脳を騙すんです。騙す内容で脳(痛み)を上書きしリセットしてしまう療法なんです。
腰痛(例:ぎっくり腰)が発症しますと、その時は立って歩くことが出来ない位に痛みが全身を駆け巡りますが、1週間か10日程で大体は回復しますよね。でも、何度も腰痛を繰り返していると、終いにはこの痛みが消失せず、そのまま残ってしまい慢性腰痛になります。身体的な疾患(筋肉の緊張)は回復しているのに痛みだけが残る、いや脳が痛みの回路を遮断できないようになってしまった状態、これが腰痛の正体です。
では、その痛みの回路はどうやって遮断できるようになるのか、この遮断するための療法こそ「認知行動療法」なのです。
それでは、関連書籍を紹介させていただきます。いずれも私サイト管理人が読んで効果のあったものです。(なお、全ての方に効果がある訳ではないことはご承知下さい)
サーノ博士のヒーリング・バックペイン: 腰痛・肩こりの原因と治療
腰痛ガイドブック 根拠に基づく治療戦略(CD付)
腰痛は脳の勘違いだった―痛みのループからの脱出
トリガーポイントブロックで腰痛は治る!
すべての望みを引き寄せる法則 夢を叶えるタッピング
最後に、NHKが取り上げ放送したにも関わらず「認知行動療法」の浸透が進まない理由ですが、まず、整形外科や整体師など腰痛が減ってしまっては困る業界が存在することが挙げられます。次に、何だかんだ言っても国(厚生労働省)が本気で腰痛根絶を考えていないこと、最後に、患者側が医師の言うままの治療に固執しそこから脱却できないこと、が挙げられると思います。
この記事が、腰痛に苦しんでおられる方々の一助になれば幸いです。